2017年

3月

22日

こちらは着々と…東京に“59年ぶり私立小学校”

 

こちらは着々と…東京に“59年ぶり私立小学校”

 

 

 

“私立小学校の新設”と聞けば、今や誰もがコンニャク、教育勅語、そして安倍夫妻の顔まで浮かぶようになってしまった。でも、それは大阪のあの学園に限ってのお話。

 東京・世田谷では騒動とは関係なく、東京農業大学が着々と私立小学校新設の準備を進めている。

 教育雑誌記者の話。

「これまで農大は、高校を3つ、中学校を2つ開校してきました。ここにきて小学校をプラスすることによって、農大のブランド力を一層高めようとしているのです。農業はもちろん、大学の設備を使った体験授業など、農大ならではのカリキュラムを考えているそうで、2019年の開校を目指しています」

 もし都が認可すれば、23区内では59年ぶりという。

 半世紀以上もの間、なぜ新設が叶わなかったのか。

「一番は土地の問題です。23区内で中規模の小学校を新設する場合、都の規定で、児童一人当たり10平方メートル分の広さを持つ運動場が必要となります」(同)

 学校関係者によれば、新設予定の小学校は1学年2クラスで、1クラス当たり36人というから、全校生徒432人×10で4320平方メートル。これは東京ドームグラウンド3分の1の広さ。国有地を格安で払い下げてもらえれば話は別だが、23区内でこの広さを確保するのは確かに厳しい。

「農大の場合、キャンパス内の所有地に設置するため、土地取得の必要はありません。校舎の建築費も自前で賄っています」(先の関係者)

 それでも、認可までの道のりはまだまだ遠い。

「昨年11月にやっと設置計画書が承認され、翌月からようやく着工しました。来年4月末に設備が全て完成した段階で再度審査があり、認可が降りるのは9月末が最短。そこから願書を受け付け、11月に入学試験、翌年4月に入学式ですから、バタバタですよ」(同)

 工事の段階で認可申請をしていたあの学校とは大違いだが、その一方、ちょっとだけ似ている点もある。新設予定の小学校の名は、大学の花である「稲の花」から取り、「稲花(とうか)小学校」と名付ける予定。一方、森友学園が新設を目指していたのは、「瑞穂の國記念小學院」。偶然、どちらも米に由来する名が冠されている。

 とまれ、こちらは無事に開校を迎えられそうだ。

「週刊新潮」2017年3月23日号 掲載